ヤマル・ネネツ自治管区におけるツンドラ・ネネツ人:生活様式と生業
本コレクションはロシアの北極域において生活する先住民族の一つであるネネツ人の生活様式、生業を中心にした文化の諸相、変容、自然環境・社会環境への適応といった諸相の調査を研究目的として、千葉大学教授吉田睦が1995年〜2016年に実施してきた調査の一環として撮影、記録してきた画像の一部である。撮影地域はロシア連邦ヤマル・ネネツ自治管区内ターズ地区(172点)とプール地区(5点)である。先住民族ネネツ人は、その多くが現在でもトナカイ牧畜を主たる生業として移動(遊牧)生活を送っている。それらの中で主要な調査地となった遊牧キャンプや集落において、可能な限り多くの生活・生業のシーンを記録し、特にそれらの生活諸活動に従事する人々の画像を記録することに努めてきた。2020年にヤマル・ネネツ自治管区行政府文化部職員R.ヤンド氏より、行政府管内における申請者の撮影写真の展示会開催の提案があった。それを受けて、北極域研究加速プロジェクトの助成を受け、ここに提示した画像データおよびそのプリントアウトを当該自治管区側に提供済みである。北極域の僻遠の地で記録した希少性のあるネネツ人やその風俗、生活、生業、居住景観の画像は、この分野の調査者に対して広く提供することが有用であると判断して提供するに至った。