シベリア民族誌写真の2012年現地展示会アーカイブ

社会人類学者の高倉浩樹(東北大学)は、2012年3月22日から24日にかけて、ロシア連邦サハ共和国エヴェノ・ブィタンタイ郡サクリール村において、1990年代に自らの参与観察調査のなかで撮影した民族誌写真を使った展示会を行った。このアーカイブは、その時に展示した写真と関連する動画をまとめたものである。

民族誌写真は93点(一部非公開を含む)で、ベルホヤンスク地方の美しい自然と先住民エヴェン人の伝統生活と文化がわかる。動画はシベリアでの展示のメイキングと15年ぶりの遊牧キャンプ訪問を記録したものである(約13分)。日本語・英語・ロシア語版がある。

社会主義崩壊直後のシベリア先住民エヴェンの生活文化に関わる歴史民族誌的記録という点、さらに調査者と被調査者との協働のあり方を考える上で示唆に富む資料となっている。なお関連資料として以下がある。

-高倉浩樹・千葉義人編 2015 『シベリアからの声:民俗写真展示のメイキングと調査地から日本へ向けたメッセージ』(東北アジア研究センター報告18号)http://hdl.handle.net/10097/62595
-高倉浩樹 2015 「写真資料をめぐる対話」高倉浩樹編『展示する人類学』昭和堂、203-232頁
-高倉浩樹 2015 「調査写真・画像から展示をつくる:現地と母国の市民をつなぐ応用映像人類学」分藤大翼・川瀬慈・村尾静二編『フィールド映像術』古今書院、126-141頁