北家文書
2020年度から東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門は、所蔵者である宮城県・加美町教育委員会に許可を得て、江戸時代に仙台藩士であった北家の古文書(482点)を調査し、全点の写真撮影と文書目録の作成を完了した。撮影は、野本禎司と上廣歴史資料学研究部門事務補佐員で実施し、荒武賢一朗と藤方博之がデータベースの構築に従事した。また、荒武と鈴木淳世が作成した「加美町北家文書目録」は、上廣歴史資料学研究部門ホームページに掲載しているので、あわせて参照されたい。
北家初代の北重清は、江戸時代初期に伊達政宗の配下に入り、それ以降の歴代当主は仙台藩士として若年寄などの要職を歴任している。伊達家から与えられた知行高は最大100貫文(1000石)で、元禄8年(1695)に加美郡城生村(現・加美町)と周辺3か村を「在所拝領」することが認められた。18世紀後半の城生村には、北文十郎の家臣が住む侍屋敷23軒と足軽屋敷33軒の存在を記録から確認できる。
482点のうち、江戸時代の作成は370点、その他の多くは明治時代のものである。内容は、①北家の家系、②仙台藩の公務関係、③学問・書籍、といった3点に大別できる。
*加美町北家文書目録
上廣歴史資料学研究部門ホームページ「調査・研究」よりダウンロード可能
https://uehiro-tohoku.net/survey/survey04